映画とは。
広島ブーム、というよりディープ山崎ブームが冷めない。冷めなすぎて毎日パンフを読み返してはステージフォトで泣く。仕事の都合で見れてない友人にもいやがらせの様にいかに戸塚祥太が素晴らしかったかをlineに綴ってる。さらに発売されたクラップの広島ページを拝む毎日である。
そんな昨日、その友人と共に戸塚祥太銀幕デビュー作「恋する♡ヴァンパイア」を見に行ってきた。
地元にある数多くの映画館ではなぜか公開されない今作のため微妙な遠出をした。会社にいくより全然近い距離ではあるが映画を見に行くにしては遠出だ。しかしそんなことは気にならないくらいこの数日間今日という日を待ち望んでいた。山崎ブーム、戸塚ブームの私のボルテージは最高潮だった。
以下、映画の感想、ネタバレになりますが私個人の考えであることを前提にお読みください。
映画が終わり劇場に光が戻り友人と顔を見合わせた私はすでに爆笑していた。
一仕切り笑ってからやっと出た言葉は「はっ?」という全てに対する疑問符だった。
同じく爆笑してる友人ととりあえず外に出たがトイレに向かう最中も出たあともひたすら笑ってた。もう何がなんだか解らずそのまま映画館の下にある書店で原作小説を購入しに行った。
そのあと入ったファミレスで二人で呆然とした。笑いのスイッチが切れたと同時に考えるスイッチも切れたようだった。
いや、良かった、良かったのだ戸塚祥太。ビジュアルが最高にいけめてる。
ただなんかもう設定も展開も登場人物もあまりにもなんかスゴすぎてびっくりしてしまったのだ。
良かったとこはやはりビジュアル。いい。最高にいけめてる。いよっ、男前担当!ってな感じだ。あとはオッパイクリームを販売してるときの売り文句をつらつら言ってるのもいい。ダサ哲くんがきいらちゃんを迎えに来たポーズもいい。きいらちゃん!ってシャツインで手を広げるとこ。かわいくてそのままでいてほしかった、話が進まなくなるが。そのまま服をとっかえひっかえしてイケ哲くんになってバク転するとこもいい。いよっ、アクロバットボーイズクラブ!ってな感じだ。あとはきいらちゃんかわいいし大塚寧々様美しい。
ダメなとこ。全体の流れ。以上。
いやだって人気?ミュージシャンの息子森で何してるんだ。まぁそれはいい一人で寂しかったんだろう。しかしそんな寂しかった哲くん、そして閉じ込められてたきいらちゃんが出会って、仲良くなる。直後きいらちゃんは親が殺されるシーンが導入される。が、のちに判明するが哲くんの親も殺されてるのにそのシーンはなし。あんなに森で仲良くしてた二人が引き裂かれるシーンも特になくただ逃げるきいらちゃん。会えなくなりお互いを想いあうこともなく急に横浜でパン屋で幸せになってた。ご両親もびっくりだ。哲くんに至ってはきいらちゃんがコウモリと共に急にいなくなって驚いたままフェードアウト。びっくりだ。もっと初恋が引き裂かれさらに親とも引き裂かれズタズタになるきいらちゃんと哲くんがないと二人の恋の重さが出ない。いや、重さを必要としてないのはわかるが、あんな風にお互いがゴムとピックを持ち続ける何か明確な心残りがないといけないと思う。
さらに哲くんは親が殺され音楽を辞めあんなダサ哲くんになる課程のやさぐれシーンが幼少期に必要だった。
初恋がしっかり描かれてたら許せたと思うくらい重要性が高かったのだ。物語の根幹だもんね。
で、哲くん、そんな父親のトラウマをあっさり見ず知らずのパン屋にそそのかされ解禁。歌う。
いやいやトラウマとは。
で、きいらちゃんを思い出しおもむろに腕を出すとそこには星のゴム。
もってるんかーい!
……………まだ物語の序盤である。が、突っ込みきれてない。すでに何シーンか突っ込みを諦めた。
そんな感じで終始進んでく。
幼少期の描かれ方が軽いためいろんなシーン(僕もとなりで応援してていいかな、など)が軽い。いい台詞なのに。
なんか久しぶりに再会してあの頃の楽しさ思い出したしイケるっしょ!みたいな感じだ。
あれよあれよという間に仲良しな二人。あ、哲くん。銀アレルギーって言ってる人に無理矢理銀アクセサリーつけようとするのは人間的にどうかと思うよ。アレルギーって言ってるからね。
そこは慌てたきいらちゃんが私には似合わないよとか言っとけばあれで良かったんだけど。
で、哲くんのお父さん殺されてた件。そんなにヴァンパイア資料読み込んでたのに気づくの遅いよ。突然のきいらちゃん拒絶。やっぱりトラウマだったの?歌うのは簡単だったのに彼のボーダーラインが難しい。
哲くんが急にトラウマ引き起こしてる間にルーマニアなのか韓国なのか台湾なのかよく解らないヴァンパイアたちがお出ましきいらちゃんを連れていくわけだが。
きいらおばあちゃんの話も突然すぎてついていけない。まぁもうそこは小説で補ったからいいとしよう。
トラウマよりきいらちゃんを取った哲くんを待ち構えていた「戦い方を教えよう」のおじいちゃん。突然のRPG。突然のスターウォーズ。いくわよ哲くん!じゃない。
しかし次の瞬間には剣をかまえるセンター哲くん。まじか。順応性がありすぎる。
で、ニンニクバズーカーで息も絶え絶え逃げるのだが追い込まれ方が下手くそ。「戻ろう」じゃない。最初から行き止まりなの見えただろっていう空間に入り込む二人はもう何がしたいんだ。で、やはりきたよルーマニアなのか韓国なのか台湾なのかよく解らないヴァンパイア。哲くん見せ場やで!……………まぁそうなりますよね。しかしきいらちゃん、あなた剣をいつ拾ったの。あとヴァンパイア簡単に砂になってびっくりだわ。急所なの?何百年が消え去る瞬間があまりにも滑稽だった。
そして幸せが訪れた、はずだった。
タキシードが見えてこれは戸塚タキシードきたと誰もが息を飲んだらこれだ。
みきちゃん……………幸せならいいけどそいつ結局なんなんだ。まぁもういいとしよう。
世界一優しいヴァンパイアになると誓う哲くん。父親を殺したヴァンパイアになる決心は意外と早かった。というより、あの砂になったヴァンパイアが父親を殺した張本人だと気づいていたのだろうか?だからもうトラウマは終わりなのか?謎は深まる。
で突然の朝チュン。ここでエンディングならどれだけよかったことか。
記憶を消せるという伏線を突然回収するのほんとやめてほしい。
さらにここでエンディングならどれだけよかったことか。スーパーバッドエンディングである。またきいらちゃんはあのピックを大切にして生きていけば良いのだ。
しかし終わらない。
夢の中の女性を想い続ける男哲くん。だいぶ気持ち悪い。そして「はじめまして」だ。
哲くんがヴァンパイアを受け入れ乗り越えるのにはあの一連の出来事があったからだと考えると「はじめまして」した二人はどうやって結ばれたのだろう。小説に描いてあるのか。そうなのか。
あんなに事前広告に出てたパン屋哲くんはサラッとエンディングに出てきた。子供まで生まれてた。もうあんなに生死をかけてくれた、剣をかまえてくれた哲くんではないことがただただ悲しかった。きいらちゃんがいなくても歌手として幸せな哲くんに今さら何の用があるのだとすら思う。
もうただスクリーンにむかって持ってたスプライトのストローを噛んで耐えるのみだった。
対したことはできないがこの映画をもう1度洗い直したい気分が込み上げた。
何だったんだろうこの物語。そんな気持ちが笑いに変わり冒頭の私に戻るのだ。
あ、もう1つ。あのピックとゴムは大事な二人の思い出なのに最後全然出てこないしグッズ化もされてないしなんなんだ。
横浜は私の地元でありよく知ってる風景に戸塚祥太がいるのはとても良かった。元町でアクロバットボーイズクラブしてるのも良かった。だから元町のお店とコラボするのもわかる。だけどピックとゴムも商品化してくれ……
最後まで理解出来ないままこの「恋する♡ヴァンパイア」の感想を終える。
私はあまりの衝撃に「広島に原爆を落とす日」を一公演増やした。
美しい戸塚祥太を摂取しなければ。