紺’s blog

星の瞬きがまぶしすぎて。

売れるということ。

ミュージックステーション、通称MステにA.B.C-Zが出演した。

久しぶりのMステ。さらに言えば嵐さんと共演のMステ。先週、かからなすぎるファウスト特電と戦ってる最中の発表だった。ファンは目の前の積み上がる発信履歴をよそに7日後を楽しみにしたのだ。私も、そうだった。

当日。8時ちょっと前からテレビの前で待ち構えた。期待は高まった。なぜなら前回SMAP様と共演した時に河合くんはキムタク様の前でものまねを披露している。そして今回、松潤がいる。ものまね第二段が行われるかもしれない。ノンストップ!のように恒例企画になるかもしれない。世間様にものまねが出来るフット後藤と認識される日がきたのかもしれない。音楽番組が少ないこの時代、タモさんの影響力は計り知れない。みんなが拳を握り締め掲げる準備をしていた。

お馴染みの曲がかかり出演者が階段を降りる。出てきたA.B.C-Zはシャワゲ衣装に身を包みにこにこしていた。河合くんは軽い松潤ダンスを披露。初っぱなからぶれない河合くんにみんながヒートアップした瞬間だった。

そのまま、曲披露に向かう。ほとんど喋ることもせず、塚ちゃんの軽いジャブのようなアクロバットに対してこれが塚田ですとまるで希少種の紹介のようなメンバー。先日のアウトデラックス認識の一般のかたに向けて本当はこんなことも出来るんですと教えてあげるような数秒間だった。金髪がなびいて変わらずにこにこしてる塚ちゃんはかわいかった。

そしてshower gate。Mステバージョンにされたステージは独特の爽やかさよりアクロバットが全面に出されていた。MVで今回はアクロバットというよりお洒落なステップなどの振り付けにしたと語っていた五関くん。しかし世間様にはまだまだアクロバットボーイズクラブを前面に出していかなければならなかった。致し方ない、そう思いながら見慣れた塚ちゃんflyを嬉々として眺めた。

曲途中、嵐さんの驚く顔が抜かれた。これはSMAP様のときも同様にあった。ありがとう同じ事務所ありがとう盛り上げてくれて!と感謝しかなかった。曲披露後にきっとあの塚ちゃんflyについて嵐さんが誉めてくれるに違いない。完全にタモさんをかこんで会話する二組の映像が出来上がっていた。

結果として、A.B.C-Zにトーク時間は与えられなかった。嵐さんのトーク時に真後ろに出されたのみだ。アルバムを出したから出れたMステ。アルバムの宣伝なはずのMステ。一言も話すこともなく彼らはにこにこしていた。番組中のCMすらキスマイさんに取られていて一般の方は今回のshower gateが一体何に収録されているのか、CDなのか、DVDなのか、アルバムなのか、わからないままだった。

彼らの売りは、アクロバットである。

それが裏目に出てしまった。そんな風に感じてしまった。アクロバット披露して凄かったよね、充分インパクトあったよね、だからトークはなしね。そんな声が聞こえるような扱いだった。もしも今回Mステバージョンにせず普通にshower gateを踊っていたら。今回はアクロバット少なめだね?なんてタモさんの振りからセカンドアルバムなんでいつもとは少し趣向を変えて~俺たちお洒落なダンスも踊れるんすよ!なんて会話があったかもしれない。しれないのに彼らはその時間と引き換えにアクロバットを披露をしたのである。

クロバットしてればいいと思ってんのか。そんな否定的なツイートを見掛けた。そんなことは彼らは一ミリも思ってなくて、世間様になぜアクロバットボーイズクラブなのかを認知してもらうことに精一杯なだけなのだ。

売れるということ。売れるまでに彼らはどうしたらいいんだろう。喋ることも許されないあの場で彼らはどうしていればいいのだろう。何をしたら売れたと言えるのだろう。どうしてこんなに悲しいんだろう。

色んなことを考えてしまったMステ出演だった。

でも、みんながにこにこしていた。良いパフォーマンスだった。多くを語らないアクロバット職人は格好いいのかもしれない。